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海外視察報告書への書籍引用について(謝罪と決意)


この度、民主・市民クラブ所属の4議員(太田英二・田中丈太郎・田中慎介・調崇史)が実施した海外視察(本年1月29日~2月5日、イギリス・スペインの2ヶ国)につき、帰国後に提出した視察報告書に書籍やインターネット上の情報を、出典を明らかにせずに引用した箇所があることがメディアからの指摘で分かりました。

指摘を受けたのは①バルセロナの都市概要に関する記述で、インターネット上の情報(ウィキペディア、雑誌『フォーラム福岡』ホームページ)を引用した箇所、及び②バルセロナ旧市街に関する記述で、阿部大輔著「バルセロナ旧市街の再生戦略-公共空間の創出による界隈の回復-」(2009)を引用した箇所です。また、指摘を受けて視察団で詳細に確認をしたところ、バルセロナの工業地帯の概要について、遠藤陽子著「ヨーロッパのクリエイティブ・シティにおける創造的産業の振興施策調査」(2009)を引用した箇所についても出典が明らかになっていませんでした。

視察報告書を作成するにあたっては、グローバルな都市間競争の時代に対応した海外視察制度の趣旨を十分にいかし、本市が今後取り組むべき施策について視察団としての政策提言を目指しました。この観点から、報告内容に学術的な裏付けを得るとともに正確に万全を期す目的で、全部で11の書籍や論文等を引用しました。引用については全て脚注を付して出典を明らかにしていたつもりでしたが、前出の箇所については不注意により脚注が漏れていました。これらはメディア報道にあったように「盗用」を疑われても仕方がないものであり、重く受け止めています。

また、報告書中の「バルセロナ旧市街を歩く」とした箇所の記述については、実際には旧市街の主だった地区全てで視察を行なったにも関わらず、一部メディアへの取材に対し2地区の視察内容の記憶が曖昧なままに回答したため取材側に誤解を生じさせ、結果として旧市街の情景等について前出の阿部氏の著書を引用した部分が「ねつ造」にあたるとの報道につながりました。この点は会派のみならず議会全体の信用失墜にもつながりかねない重大なミスであり、今後はあらゆる取材対応に正確を期すことも含めて視察団4議員に猛省を促したところです。

いずれにしても、視察報告書にこれらの瑕疵があったことにより、著者の方には多大なご迷惑をかけるとともに、海外視察制度に対する市民の皆さまの信頼を損ねる結果となりました。このことについては、視察団はもちろん会派一同心よりお詫び申し上げます。

事後の対応については視察団、及び会派内で協議・検討を行なった結果、指摘を受けた箇所について出典を明らかにした修正報告書を5月16日付で議会事務局に提出するとともに、脚注が漏れていた全ての著者の方々に謝罪して修正の報告を行いました。

今後はこのような不注意が二度とないよう会派として気を引き締め直し、市民の皆さまの信頼回復に務めて参りたいと思います。とりわけ、視察団の4議員が今回の海外視察で学んだ成果については、議会での質問や会派マニフェストへの反映などを通じた政策提言に遺漏なくいかし、本市の発展・成長に寄与できるよう取り組んでいく決意です。

市民の皆さまのご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

平成24年6月15日

福岡市議会 民主・市民クラブ
代表 栃木 義博