議会通信 Vol.53 2013年 新春号

2014-05-20
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皆様お揃いで健やかな新年をお迎えのことと存じます。
今年は市民の痛みを伴う「行財政改革プラン」の議論が本格化します。
本市の未来の展望を示すため、私たちはさらに気を引き締めて職責にあたって参ります。

12月議会の概要

「平成23年度決算」を承認

決算特別委員会(10月5日~10月23日)で審議された平成23年度の一般会計・特別会計決算が承認されました。

「基本構想」「基本計画」を策定

福岡市の長期的なまちづくりの指針となる基本構想と、基本構想を実現するための取り組みを体系的にまとめた基本計画の改定案が提出され、議会で承認されました。基本構想の改定は昭和62年から25年ぶりとなります。

福岡市が目指す都市像として、以下の4点を掲げました。

  1. 自律した市民が支え合い心豊かに生きる都市
  2. 自然と共生する持続可能で生活の質の高い都市
  3. 海に育まれた歴史と文化の魅力が人をひきつける都市
  4. 活力と存在感に満ちたアジアの交流拠点都市

条例案を可決

自転車の安全利用に関する条例案、市税条例の一部を改正する条例案などが提出され、可決・成立しました。

自転車の安全利用に関する条例案

自転車の安全利用に関する条例は、福岡市や市民、自転車運転者、販売者などが安全利用のために負うべき責務について示すもので、自転車事故の保険への加入促進や、歩道での「押しチャリ」推奨などが規定されています。

市税条例の一部改正案

市税条例の一部を改正する条例は、福岡市が県や北九州市とともに国から指定を受けた「グリーンアジア国際戦略総合特区」に関連して、アイランドシティなどの対象区域に進出する企業等に対する税制優遇(固定資産税・都市計画税の3年免除)について定めるものです。市税条例の一部改正と併せ、特区推進条例も可決・成立しています。

市民に未来への展望を示すため

[12月13日] 意見開陳

阿部 正剛 (東区)

平成23年度一般会計及び特別会計、企業会計の歳入歳出決算について、民主・市民クラブを代表して承認に賛成する立場での討論を行い、私たちがローカルマニフェストで掲げる施策について来年度予算の策定にあたり留意するように求めました。

「生活保障戦略」の分野では、支え合い、助け合いのネットワークから排除されることのない社会の実現、「成長戦略」の分野では、公共料金などのコスト軽減を視野に入れた企業誘致策、若年層の雇用促進、「地域主権戦略」の分野では、地域や各種団体の代表者の意見を行政に反映する会議体の設置などを求めました。また、今後の厳しい財政見通しにも触れ、議会と行政の双方がともに汗を流して市民に未来への展望を示さなければならないとの決意を述べました。

「総合特区」多額投資の成果を

[12月13日] 議案質疑

田中 丈太郎 (博多区)

12月議会に上程された条例案のうち、「福岡市グリーンアジア国際戦略総合特区の推進に関する条例案」及び「福岡市市税条例の一部を改正する条例案」、「福岡市自転車の安全利用に関する条例案」の3つについて、提案者である当局の見解を質しました。

総合特区推進条例と市税条例については、多額の税金を投入するこれらの施策が必ず成果を出さなければならないと指摘し、市長に決意を問いました。市長は立地交付金、税制優遇のある平成28年3月までの期間内に集中して企業誘致を進める意向を示しました。

また自転車安全利用条例については、福岡市が保育所や幼稚園、小中学校等でどのような啓発を進めていくのかなど、条例制定後の基本的な姿勢を問いました。

市有財産・街路樹の適正な管理を

[12月14日] 一般質問

田中 丈太郎 (博多区)

「自転車行政」「市有財産の管理」「街路樹の管理」の3点について質問しました。

このうち市有財産の管理については、9人が犠牲となった中央道笹子トンネルの事故を念頭に、市が所有する建築物等について適正な維持管理がなされているかを質問。全庁の設備を一括管理・指導できるセクションを財政局に設けることを提案するとともに、市長に今後の取り組みを問いました。

また街路樹の管理については、昨年9月の台風16号で博多区の明治通りの街路樹が倒れて人身事故につながった件を引き合いに、病害虫の被害等を含めたこまめな調査と適切な管理が必要であることを指摘。当局は樹木医による診断を毎年1,000本から1,500本実施しているとしたうえで、倒木が例年より多い今年は、10,000本の診断を行っている旨の答弁をしました。

市民や議会への説明責任を問う

[12月17日] 一般質問

太田 英二 (城南区)

「行財政改革」、「市役所西側広場とオープントップバスの国交付金問題」の2点について質問しました。

行財政改革については、策定に向けての議論が始まった「行財政改革プラン」について、当局は「ビルド・アンド・スクラップ」の精神で取り組むとしているが見直しの項目ばかりが目立ち市民に不安が生じていることを指摘。「ビルド」の部分をしっかりと示すよう市長に求めました。また、国交付金問題については、市役所西側広場の改修やオープントップバスの購入などにあたり、それぞれ予定していた国の交付金が下りなかったこと等が理由で予算執行に変更が生じた点を当局が市民や議会に説明していなかったことの問題点を指摘。市長は「市民や議会に対する説明は大変重要で今後適切に対処したい」と陳謝しました。

TOPICS

「行財政改革プラン」議論始まる

前号でも触れたとおり、福岡市は平成25年度からの4年間でおよそ851億円の財源不足を見込んでいます。このため、福岡市では今年度末を目途に行財政改革プランの原案策定を進めており、今議会では財政当局が主体となって各局が行う事業・施策の中から101項目を抽出し、廃止を含めた検討をするもの、民間活力の導入を目指すもの、収納率の向上を目指すものなど、今後の検討の方向性が示されました。
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主な項目は下に掲げる通りですが、市民生活に痛みを伴うものも含まれているだけに、各常任委員会で行われた議論では各会派から慎重な意見が相次ぎました。

今回の行財政改革プランの策定にあたって高島市長は、福岡市が行う全ての事業・施策について聖域のない見直しを進める考えを示しており、市職員の給与についても対象となっています。

持続可能な行財政運営に向けて真に必要な改革が何なのか、私たちはこれから熟議を重ねていきます。

>> 検討項目(一部抜粋)

  1. 私立高校に対する補助金の廃止
  2. 生活保護の適正化
  3. 国民健康保険料の収納率向上
  4. ヨットハーバー等への民間活力の導入
  5. 市職員給与の削減
  6. 各種行政サービスの有料化

民主・市民クラブ

ローカルマニフェスト実現に向けて、鋭意活動中!

平成25年度予算要望を市長に提出

teishutu.JPG    高島市長に予算要望書を提出民主・市民クラブは去る11月29日、平成25年度予算要望を高島市長に提出しました。要望書は昨年に引き続き、民主・市民クラブが掲げる「ローカルマニフェスト」を実現するための施策について当局がしっかりと予算配分を行うことを求める内容となり、地域主権改革、生活保障、都市の成長の3つのテーマを柱とする53項目が示されました。

昨年提出した予算要望との比較では、 ①NPO団体を支援するための体制拡充、②災害時の要援護者に対する支援、③認知症サポート体制の強化、④交通不便地でのコミュニティ生活交通の需給調査、⑤国際的な見本市、展示会等の誘致体制強化、⑥福岡の食ブランドを世界に発信する市場調査の実施、⑦首都機能バックyoubou.JPG      予算要望書アップをにらんだ企業誘致の推進、⑧国際リニアコライダー誘致の推進、⑨農林水産業の振興、⑩商店街に対する支援の拡充などの計10項目が新たに加わりました。これらは民主・市民クラブ所属の8議員が、それぞれこの一年間の議会質問等で取り組んだものです。

私たちの要望が平成25年度予算にしっかりと反映されるよう、3月の予算審議に向けて準備を進めます。